今では、血糖値を上げないことが健康維持や肥満の防止に役立つことを多くの人が知るようになっています。そういうこともあり、ネット上で、血糖値を上げにくくする食事法を見る機会が増えています。
食べる順番をどうするかとか、何と組み合わせて食べると血糖値ががりにくくなるとか、いろいろな方法が提唱されていますが、どれも、血糖値が上がる食事であり、健康維持にも肥満防止にも役立ちそうな気がしません。はっきり言って、それらを実践するのは時間の無駄です。
糖質を摂取したら血糖値が上がると考えよう
血糖値が上がりやすい食材はこれ、血糖値が上がりにくい食材はこれと分類するのは大変です。そもそも、本当に血糖値が上がりにくいのかどうかをどうやって調べれば良いのでしょうか。
糖尿病の方の中には、血糖測定器を持っている方もいらっしゃり、そういう方だと何を食べると血糖値が上がりやすいかを確かめることができます。しかし、血糖測定器を持っていない場合には、どの食材が血糖値を上げやすいのか確かめるのは不可能に近いです。権威のありそうな人が言っていたから、この食材は血糖値を上げないと信じる以外にありません。
それなら、糖質が含まれている食品はすべて血糖値を上げると思った方が、無駄な時間を使わずに済みます。食事をする際も、糖質が含まれていないか、ほとんど含まれていない食品を選べば、血糖値が大きく上がることはありません。
ご飯やパンを冷やすと血糖値が上がりにくいとされていますが、温かいご飯やパンより消化に手間がかかる程度で、普通は血糖値が上がります。だから、冷やしたご飯やパンなら血糖値が上がらないと信じて食べ続けていると、いつの間にか太っていたなんてことが起こります。
糖質制限をしよう
糖質が含まれていても血糖値が上がらない食品を探し続けるより、糖質摂取量を少なくする糖質制限を始めた方が手っ取り早いですよ。
ただ、糖質が含まれている食品を食べないだけなので、血糖値が上がりにくい食品を探すより手間はかかりません。京都高雄病院の江部康二先生は、1食当たりの糖質摂取量を20グラムまでにする糖質制限食を糖尿病の治療食としています。
3食すべての1食あたり糖質摂取量を20グラムまで、1日60グラムまでに抑えるスーパー糖質制限なら、血糖値はほとんど上がりません。いきなり、スーパー糖質制限が難しいのであれば、1日に1食だけ糖質摂取量を20グラムまでに抑えるプチ糖質制限から始めれば良いです。慣れくれば、1日に2食を糖質摂取量20グラムまでに抑えるスタンダード糖質制限に移行しましょう。
糖尿病ではない方だと、スタンダード糖質制限でも、十分に健康維持と肥満防止に効果があるはずです。
糖質制限を始めるにあたって、いろいろ注意事項を述べる人もいますが、糖質を減らした分だけタンパク質と脂質を増やせば良いくらいのもので、それ以外はあまり意識する必要はありません。糖質制限を始めて便秘になった場合には、脂質をたくさん食べれば便通が良くなります。
血糖値を上げないようにしたいなら、糖質制限ですよ。